「御宿かわせみ(九)」平岩弓枝

「白藤検校の娘」がよかったな。娘が潔いし、父親もそれにならっていくってのはあれか「老いては子に従え」ってやつか。「藍染川」の新之助が育ちのせいで大店の倅の座から脱落してしまう様は、ちょっと切ない。「一両ニ分の女」のるいと東吾のシーンがエロにも程が有る。しかしこの話に出てくる「安囲い」って制度(制度とはいわんか)ってあれですな。一人の女を、五〜六人で一人頭の金額を安くして囲う、っつーね。あ、でもこれって今でもある話か、形はちょっと違うけど。んー。