「御宿かわせみ(1)」平岩弓枝

NHKのドラマを見て読み始めたけど、思った以上に面白かった。るいの設定が22歳というのはびっくりした、って事は東吾は年下だから二十歳そこそこだ。テレビでは高島礼子中村橋之助だったから、もっと大人の話かと思っていた。が、そのまま20前後の役者さんがやったら、あのしっとり加減が出ないであろうから、あれはあれでちょうどなのかなとも思えたりも。

まんま光景を書いてあるわけじゃないのに、るいと東吾が二人でいる場面が妙にエロなのは、私がそういうのをわかる年になったからか?ってかそういうのってなんだ。出てくる主な登場人物が皆人思いというのが、読んでいて非常に安心する。中でも私は嘉助が好きでね。「嘉助にまかせておけば間違いない」って思わすあの感じ。時代物のああいう雰囲気のキャラに弱い。ちなみに私の中で一番しょぼいのは東吾。るいが言わないのをいいことに、中途半端なままにさせて周りの人間をもぎもぎさせてる、年下の優男。読んでいるとしょっちゅう「るいの事を大事に思っているならもう少しどうにかせーよ」と思う。

一巻の中で一番好きな話は「江戸は雪」。読んだあとに「いい話だねえ」と思えるお話。佐吉を最後まで信じている仙八の心がなんとも。

新装版 御宿かわせみ (文春文庫)

新装版 御宿かわせみ (文春文庫)