「御宿かわせみ(三)」平岩弓枝

この巻の中の一番は「女がひとり」。幼馴染みで優しく一緒になれば幸せになれるだろう男と、男前だけど女にたかって生きてるような一緒になれば不幸になるだろう男の二人ともに心を寄せてしまい、あげくどちらとも約束をしてしまうが、馬鹿男のために体を売って、その男からさらに金を奪おうと財布をすって逃げていた所川に落ちて死んでしまう。というなんともまあな話し。


そこでるいは「生きざまは決して立派なものではないが、やさしすぎた」とその女をかばい、店のお吉は「なんのかんのいっておかつは欲が深い。人間だからどっちも欲しいとは思っても、よくよく考えてどちらかにするものだ」「人間しっかりしないといけない時はしっかりしないと駄目なものです」とおかつを叱り。


と、男性と女性が違う意見を言うのではなく、女性同士で別の意見をいうというのがいいとおもう。女はこうだ、男はこうだ、ではなく女でも違う風に考える事があるっていう、いったら当たり前の事を意外に適当にしてる事も多いと思うので、こういう風に書いてあるのは好み。

お吉は意外にいい所でいい事を言うと思う。

新装版 御宿かわせみ (3) 水郷から来た女 (文春文庫)

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