「人狼城の恐怖 第三部 探偵編」二階堂黎人

「これってちゃんと読まないといけないのか」というような長い説明が多くて、そういう説明の時は正直ちょっと飛ばした。第三部ではやっと探偵の二階堂蘭子が出てきたのだが、蘭子シリーズを始めて読んだ私は蘭子のキャラ設定にちょっとがっかり。眩しいような美貌の持ち主で、大学生だけど天才的な探偵能力があって、養父が警視副総監て。しかも巻き毛らしい、日本人で巻き毛て!。

女性が「正体不明で目を見張るような美貌の青年」を主人公にしたがるように、ミステリには「身内に権力を持った人間がいるすばらしい美貌の若い女子」を主人公にしたがる傾向ありと思うんだけど、どうかな。女子は「ミステリアスさ」、男子は「権力」希望か?。いや、でも通常だと逆な気もするし…。って、あくまでも私にそういう気がしてるだけだけど。男性は「女性の書く理想の男性」を読んで「なわけねーよ」と思うかもしれないが、私も男性作家がこの手の女性を主人公にすえてるとがっくりくる。私が島田荘司を好きなのは、島田さんはそういう女性をめったに書いたりしないからだ。いや、これは島田さんの本の感想じゃないか。

以前はそういう主人公が出てくると読むのをやめてしまったりもしたが、そこはあれ、私も少しは大人になりました、読むよ。「ああ、男の人はこういう女性が好きなのねえ」なんて思いながら読んでる。「男がみんなそうなわけじゃないぞ!」とか言われそうですが。「早くオチを聞かせろー」というところで第三部終了。しかし全然本の感想になってないね。

人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社ノベルス)

人狼城の恐怖〈第3部〉探偵編 (講談社ノベルス)