「御宿かわせみ(五)」平岩弓枝

「奥女中の死」って話のお勝という女性が切ないというかなんというか。見てくれにも恵まれていて、家も裕福で、御三家奥向につかえて、人が見たらうらやましいと思う要素が沢山有りながらも、運が悪かったというか、人を道連れにして自害。そのお勝の気持ちと、そんなお勝に接する東吾を見るるいの気持ちが絶妙。悲しいお話だ。

しかしるいは何かあると変な行動に出る前に、素直に東吾に「堪忍して下さい」とあやまっちゃう。たいていは別にるいはそうも悪く無く、しいて言うなら東吾が言葉足らずだったりなのだけど、東吾を攻めずに割きに頭を下げられるるいって出来てる、と思った。その謝る気持ちをちゃんと理解できる東吾もグッドな訳ですが。