「鬼平犯科帳(十八)」池波正太郎

いい話ぞろい!。「一寸の虫」の仁三郎が切ない。鬼平の台詞の通り、「何故相談せぬのか仁三郎よ!」と本を読みながら悔しがってみたり。相手の事を思うばかりに、相手を悲しませてしまう事も有る訳だな…なんて。

あと「おれの弟」の鬼平が凄い。自分の実の弟では無いけれど、目をかけていた弟分が卑怯な立ち合いによって殺されてしまうが、お上の非常に不条理な判断により、殺したやつにはお咎め無し。それを我慢し切れなかった鬼平は、小柳の手を借りて敵討ちをしてしまう。盗賊改めの職に付いてるのに!。ゴイス。「俄か雨」での細川の微妙な心の内に気づかい采配する鬼平にも感心。

ただわかりやすい善だけを良しとしないところがかっこいいな鬼平

新装版 鬼平犯科帳 (18) (文春文庫)

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